家庭で大切にしているぬいぐるみ、どうやってきれいに保っていますか?
何年も一緒にいる愛着のあるぬいぐるみや、子供がお気に入りのぬいぐるみは、大切に扱っても時間が経つと汚れてきます。
特に、洗濯表示がないものや長く使っているため洗濯が心配なぬいぐるみは、簡単に洗うことができないこともありますよね。
この記事では、そんな時に役立つ、重曹を使ったぬいぐるみのお手入れ方法と、そのメリット・デメリットを紹介します。
【重曹の効果】
重曹は、汚れを除去し、消臭効果もあります。
アルカリ性の重曹は、酸性の手垢や皮脂などの汚れを分解し中和し、汚れや臭いを取り除く効果があります。
つまり、臭いの原因を吸収してぬいぐるみから取り去るわけです。
ただし、重曹はタンパク質を分解する力があるため、天然のタンパク質繊維で作られたぬいぐるみには使用できないことがあります。
この点を考慮してお手入れしましょう。
重曹を使う前に、ぬいぐるみが洗えるかどうかを確認してください。
重曹を使ったぬいぐるみのお手入れ方法
主に3つの方法があります。
- 水を使わない【ドライクリーニング】
- 重曹と水を使った【手洗い】
- 目立つ汚れに対する【スポットケア】
これらの方法は洗濯機で洗えないぬいぐるみに適していますが、重曹が適さない素材もあるため注意が必要です。
以下の点を確認してからお手入れしましょう。
重曹を使うべきではない素材や注意点
使用不可な素材
天然素材(ウール、シルク、レザーなど)
アルカリ性に弱いため、重曹は避けてください。
動物性タンパク質の繊維
これらは重曹でのお手入れには不向きです。
注意が必要な素材
機械部品を含むぬいぐるみ
ドライクリーニングは可能ですが、水を使う手洗いは避けましょう。
電池を含む、音が出るぬいぐるみなど
重曹が内部に入ると故障のリスクがあります。適切な対策をしてお手入れしてください。
接着剤を使用しているぬいぐるみ
ドライクリーニングは問題ありませんが、水洗いは避けましょう。
アンティークのぬいぐるみ
経年劣化で生地が弱っている可能性があるため、ダメージを避けるために注意が必要です。
重曹を使用する際は、これらの点に注意し、大切なぬいぐるみを長持ちさせるお手入れをしましょう。
洗濯機で洗えるぬいぐるみのお手入れ方法
この記事では、重曹を使ったぬいぐるみの清掃や洗濯方法について説明しますが、洗濯機で洗うことが可能なぬいぐるみもあります。
また、重曹での清掃や洗濯が適していない場合は、中性洗剤を用いた手洗いが適している場合もあります。
ぬいぐるみの素材や洗濯表示を確認して、最適な方法で清潔に保ちましょう。
こちらで紹介する方法は全て手洗いに関するものです。
洗濯機を使用する際には特に注意が必要です。
また、洗濯機で洗えるぬいぐるみの表示も様々です。最新の製品では洗濯表示が更新されていることもあるので、よく確認してください。
さらに、ぬいぐるみの修理を専門とするお店もあります。
大切なぬいぐるみを安全にお手入れしたい方は、記事の最後に掲載されている情報をご覧ください。
重曹を使ったドライクリーニング
必要なもの
- 食用グレードの重曹
重曹を完全に取り除くのは難しいので、食用グレードを使用することが推奨されます。
これならば、ぬいぐるみを洗った後、子供が触れても安心です。
- 大きめの袋
ぬいぐるみを入れて振るために、ぬいぐるみより少し大きいサイズの袋を用意します。
ただし、大きすぎると重曹の使用量が多くなるので適切なサイズを選びましょう。
- 掃除機
- タオル
- 干す場所
ドライクリーニングの手順①~⑦
このドライクリーニング方法はテレビで紹介されたことがあり、好評を得ています。
以下の手順で試してみてください。
ドライクリーニングの準備
①重曹をぬいぐるみ全体に均等に振りかける
ぬいぐるみのアクセサリーや特別な部品がある場合は、それらを取り外すか、重曹が入らないようにテープなどで保護しましょう。色落ちや素材の違いに注意し、必要に応じて別に清掃します。
② 特に汚れた部分に重曹を塗り込む
汚れが気になる箇所には、重曹を直接塗り込んでおきます。ドライクリーニングだけでは落ちない汚れがある場合は、後述の「重曹での部分掃除」を参考にしてください。
③ 用意した袋にぬいぐるみを入れる
ぬいぐるみを袋に入れます。
④ ぬいぐるみ全体に重曹を振りかける
均等に重曹を振りかけることで、全体的な汚れを落とします。量については、ぬいぐるみが十分に覆われる程度にします。
⑤ 袋の口を閉じて30分程度放置
袋を閉じて、風通しの良い日陰で30分ほど放置します。
これらのステップに従って、重曹を使用したぬいぐるみのドライクリーニングを行ってください。ぬいぐるみの素材や特徴に合わせたお手入れで、大切なぬいぐるみを長持ちさせましょう。
重曹は湿気に弱く、湿気があると固まりやすい性質があります。
長時間放置すると固まることがあるので、長時間放置するほど良いわけではありません。最適な放置時間は30分から1時間程度が目安です。
もし重曹が固まってしまった場合は、お湯や酢の水溶液を使って慎重に拭き取ることが必要です。
ただし、ぬいぐるみの素材によっては、濡れた後に生地の質感が変わることもあるので、水を使う際は注意が必要です。
固まった重曹を取り除く唯一の方法は、それを溶かすことですから、しっかり対処しましょう。
⑥ 重曹を掃除機で吸い取る
重曹が周囲に飛び散る可能性があるので、新聞紙などを敷いておくと後片付けがしやすくなります。湿気には特に注意が必要です。
ぬいぐるみに付着した重曹を掃除機で吸い取った後、掃除機のフィルターが湿気で固まった重曹で詰まることがあるので、掃除機内の重曹はすぐに取り除いてください。
⑦ タオルでぬいぐるみに付着した重曹を拭き取り、風通しの良い日陰で干す
直射日光で干すとぬいぐるみの生地が変色する恐れがあるため、風通しの良い日陰で干すことが重要です。
重曹を用いたドライクリーニングの注意点とポイント
ドライクリーニングは簡単に行えますが、いくつかの注意点があります。
以下のポイントを理解し、大切なぬいぐるみの適切なお手入れを行いましょう。
- 付属品の故障や色落ちへの注意
ぬいぐるみの付属品には特別な注意が必要です。色落ちや故障を防ぐため、適切な対策を行ってください。
- 重曹の湿気による固まり
重曹は湿気により固まりやすいので、ぬいぐるみに付着したまま放置すると後の清掃が困難になることがあります。また、掃除機の詰まりの原因になることもあります。
- 日陰での干し方
ぬいぐるみを直射日光下で干すと色落ちする恐れがあるため、風通しの良い日陰での干し方がポイントです。
重曹でのドライクリーニングの注意点
重曹を用いたドライクリーニングの最大の注意点は、重曹を完全に落としきることが難しい点です。
その結果、床が白くなったり、残った重曹が湿気で固まってしまうことがあります。
ぬいぐるみから重曹をできるだけ完全に取り除くようにしましょう。
洗濯機で洗えないぬいぐるみの手洗い方法①~⑥
洗濯機で洗うことができないぬいぐるみでも、手洗いが可能な場合があります。
デリケートな生地でできたぬいぐるみが汚れたときは、水洗いが必要になることもあるでしょう。
そのような状況に対応するため、重曹を使用した水洗いの方法を紹介します。
この方法を試す前に、【重曹を使ったドライクリーニングの注意事項】を確認しておくと良いでしょう。
これはドライクリーニングに関する注意事項ですが、重曹を使う際に重要なポイントが含まれています。
重曹を使った手洗い手順
① 重曹溶液を作る
約5%の濃度で溶液を作ります。ぬいぐるみがしっかり浸かるほどの水を準備し、その水の量の5%が重曹の量になります。
例えば、1000ml(1リットル)の水には、50mlの重曹を使用します。これは大さじで約3杯から4杯(1大さじ=約15ml)に相当します。4杯入れても構いません。お好みで量を調整してください。
② 重曹溶液にぬいぐるみを浸ける
ぬいぐるみが完全に浸かるように、溶液に5分程度入れておきます。
③ ぬいぐるみを溶液の中で洗う
やさしく押し洗いをしてください。重曹の力で汚れが浮かび上がるので、強くこする必要はありません。
汚れを浮かせて取り除くような感じで洗いましょう。強くこするとぬいぐるみが傷む恐れがあるので、注意が必要です。
④ 水でしっかりすすぐ
この工程はとても重要です。
重曹を十分に水で洗い流してください。重曹が残っていると、ぬいぐるみが乾いた時に部分的に固まる可能性があります。しっかりと洗い流しましょう。
⑤ タオルで拭く
ぬいぐるみ全体をタオルでやさしく拭きます。水分をしっかり取ることで乾燥が早くなりますが、ぬいぐるみを傷めないように注意しながら拭きましょう。
⑥ 陰干しする
ぬいぐるみを風通しの良い場所で日陰干ししてください。
直射日光の下で干すと色褪せや変色のリスクがあります。また、濡れた状態だと形が崩れやすいので、乾燥する際はぬいぐるみの形を整えてから干してください。
この方法で、洗濯機では洗えないデリケートな素材のぬいぐるみも安全に清潔に保つことができます。
ぬいぐるみの部分洗い方法①~③
ぬいぐるみの一部が特に汚れている場合、その部分だけを洗う方法が効果的です。
部分洗いの仕方
① 重曹のペーストを作る 重曹と水を2:1の割合で混ぜ合わせ、ペースト状にします。
② ペーストをぬいぐるみに塗る 作った重曹のペーストを、ぬいぐるみの汚れた部分に直接塗り、1時間から一晩程度放置します。
③ 酢水でペーストを拭き取る 固まったペーストは酢水で中和して除去します。酢水をスプレーで吹きかけるか、直接ぬいぐるみに塗布し、スポンジやタオルで優しくたたきながら拭き取ります。
酢の匂いが気になるかもしれませんが、酢は揮発しやすいので時間が経つと匂いは消えます。
また、酢には消臭効果や雑菌の繁殖を防ぐ効果もあります。
この方法で、ぬいぐるみの汚れた部分だけを効果的にきれいにすることができます。
ぬいぐるみの清掃における重曹の利点と欠点
このセクションでは、重曹を使用したぬいぐるみの清掃や洗濯に関する利点と欠点をまとめています。
良い面と考慮すべき点があるので、それらを理解した上で大切なぬいぐるみのお手入れを行いましょう。
利点
- シンプルで手軽な清掃・洗濯方法
- 洗えないぬいぐるみも清潔にできる
- 安全性が高く、消臭効果もある
欠点
- 重曹は湿気によって固まりやすい
- 完全に取り除くのが困難
- 手洗いほど汚れが落ちにくい
- ぬいぐるみを清掃した経験者からは、「たたいても掃除機を使っても重曹が完全に取れない」という意見が多い
たとえば、私の家では3年間毎日子供と遊んでくれるぬいぐるみがあり、重曹での清掃を考えましたが、「粉が完全に取れない」と聞き、洗濯機で洗えない場合はぬいぐるみ専門の修理店に依頼することにしました。
重曹で清潔になることは間違いないですが、粉末が残る可能性がある点は考慮する必要があります。
また、洗濯機で洗う方が汚れが落ちるという意見もあり、手洗いが可能な丈夫なぬいぐるみの場合は、洗濯機を使用する方が良いかもしれません。
ぬいぐるみ清掃のまとめ
今回は重曹を使ったぬいぐるみ清掃法について紹介しました。
水洗いや洗濯機のデメリットと同様に、重曹清掃にも欠点があります。
ご家庭によって最適な方法は異なるため、この情報が判断の助けになれば幸いです。
これにより、安心して大切なぬいぐるみを長く保つことができると考えています。